カンボジアでの起業に関する講演会
- 10月31日(月)、かつて世界一と言われたカンボジアの胡椒を復活させるためにKURATA PEPPER(クラタペッパー)を起業した倉田浩伸氏をお招きして、途上国で起業することや価値観の多様性についてお話を伺いました。
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- [倉田浩伸氏]
- 大学在学中、ポルポト時代の避難民を帰還させるカンボジアでのプロジェクトに参加。卒業後、カンボジアで貿易会社を設立した。1997年に胡椒の栽培を開始し、2006年にKURATA PEPPERを設立。現在は、胡椒農園の経営や販売を手がける。
【KURATA PEPPERを起業するまで】
- ・両親の戦争体験談と兄の死。
- ・中高時代に影響を受けたもの(映画『キリングフィールド』、カメラマン沢田恭一氏の写真など)
- ・大学時代にNGO活動の一環で初めてカンボジアを訪問。
- ・大学卒業後、カンボジアで貿易会社を起ち上げる。
- ・たまたま入手した1960年代のカンボジアの資料を基に、胡椒の栽培を開始。KURATA PEPPER の設立へ。
【KURATA PEPPER の理念】
- 以下の3点を実現することで貧困を無くし、平和へと繋げる。
- ・カンボジアの農業の再生、産業の育成(=自給率の向上)
- ・貿易の活性化
- ・経済的自立
【フェアトレードについて】
- 江戸時代の商人の思想は、フェアトレードの心そのものであった。
- ・「知足者冨」(老子)足るを知る者は富む。
- ・三方善し(売り手善・買い手善・地域善)等。
【価値観の多様性を尊重する社会の形成】
- ・アリとキリギリスの生き方はどちらも間違っていない。
- ・たとえ、人種・宗教・民族・文化などが違っても、お互いに尊重しあってコミュニケーションをとれば戦争にはならない。価値観の多様性を尊重することで、平和に生きられる社会がずっと続いていく。
【生徒からの質問】
- 生徒からは、「いじめによる自殺を無くすには」「平和な社会実現のために中高校生が心がけることは」など、幅広い内容の質問が投げかけられた。倉田氏から、以下の回答をいただいた。
- <回答> 生まれてくる命には全て意味がある。生き方や価値観をお互いに尊重して感謝すれば、いじめや自殺は減るはずである。中高生の皆さんに心がけてほしいことは、自分が生きてこられたバックグラウンドを理解することである。今使っている筆記用具や服や食事が、どんな国でどんな風に作られているのかを知り、感謝の気持ちを持って欲しいと思う。