昭和女子大学の学生によるカンボジア・ルワンダ留学体験に関する講演会
- 文部科学省の留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」を利用してカンボジアへ留学した川村真由さん(昭和女子大学在学生)からお話を伺いました。カンボジア留学のほか、ルワンダでの留学体験についても話してくださり、生徒たちは先輩の話に目を輝かせていました。
- –
- [川村真由さん]
- 昭和女子大学人間社会学部に在学し、初等教育を専攻。2016年8月から約1年間カンボジアへ留学。帰国後、バックパックでの旅を経て、2017年、アフリカのルワンダへ留学。
【カンボジアへの留学】
- ・2015年に大学の教育研修プログラムで訪れたカンボジアで、教育の質・量ともに日本と異なることに疑問を感じ、もっと長く滞在して問題の全容を見たいと考え、留学を決意。
- ・カンボジアでやりたかったこと
- →保健や衛生に関する教材の作成、カンボジアのマイナスイメージの払拭、日本のプレゼンス向上
- ・カンボジアでの活動
- →王立プノンペン大学や日系企業での日本語教師、日本人学校での担任、クメール語や英語の語学学校への通学など
- ・カンボジアで学んだこと
- →人の温かさ、土壇場での柔軟性、虎穴に入らずんば虎子を得ず(一歩踏み出す大切さ)、専門性の重要度、初等教育における課題の多さと複雑さなど
【バックパックの旅】
- ・帰国後、ベトナム・ラオス・タイ・ミャンマー・マレーシア・シンガポール・アラブ首長国連邦へ約2か月の旅。
【ルワンダへの留学】
- ・大虐殺の歴史を経て「ルワンダの奇跡」と言われるほど経済発展した様子を自分の目で見たいと思い、国連フォーラムを通じてルワンダへ。FAO(国連食糧農業機関)やWFP(国連世界食糧計画)で活動。
- ・“教育を変える”といっても単純なことではない。政治・経済など広い視野でその国のことを考えなければいけない。
- ・無関心は一番の悪。ルワンダ大虐殺の時の自分に対する戒めでもある。他人事を自分事として捉えていきたい。
【これからの展望】
- ・今後も開発途上国の問題に携わり続けたい。
- ・イギリスの大学院に留学して専門性を高めたい。
- ・国連を使った従来の支援にも携わりたいが、一方で収益企業を途上国に設立するなど新しいことも試みたい。
- ・海外における日本のプレゼンスの向上は、今後も自分のテーマのひとつとして胸に刻んでいる。
【生徒からの質問】
- <質問>カンボジアやルワンダへの留学に不安はなかったのか。
- <回答> 留学する前は葛藤があったし、親も含め賛成してくれる人はいなかった。一度、自分が辿ってきた道のりや思考回路を全て紙に書き出してみたら、自分のやりたいことがはっきりと分かり、気持ちに嘘はつけないと思った。その気持ちがあれば自然と勇気がわいてきたし、帰国後も後悔は全くなかった。
- <質問>川村さんの考える「グローバル・リーダー」とは。
- <回答> 海外で活躍している人だけがグローバル・リーダーというわけではない。日本にいながら海外のことを伝えたり、途上国と関わりを持ったり、草の根の活動をすることもできる。海外にいても日本にいても、外に向けた広い視野を持つ人がグローバル・リーダーと言えるのではないか。