ベトナムにおけるマングローブの植樹に関する講座
- 本校の高校1年生は、5つの地域(ベトナム、マレーシア、オーストラリア、広島・関西、沖縄)から各自訪問先を選び、12月19日から研修旅行に出かけます。ベトナムコースの生徒たちは、南部のカンザーでマングローブの植樹を体験する予定です。事前学習の一環として、11月29日(火)にNGO「マングローブ植林行動計画」代表の須田清治氏をお招きし、マングローブ植樹の意義についてお話を伺いました。
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- [須田清治氏]
- マングローブ植林行動計画代表。1983年から、サウジアラビアやアラブ首長国連邦等でマングローブを植林し、乾燥地の緑化を研究。1988年から、JICA(国際協力機構)の一員として、カタールでマングローブの植林を指導。1996年以降、ベトナムを中心に、ミャンマー、エクアドル、スーダン等でマングローブの植林活動。
【ベトナムについて】
- ・面積33万㎢ のうち3/4が山地である。
- ・南北に長く、北部の冬は寒いが南部は年間を通して高温。温かい気候を好むマングローブ林は、南部の方が広く種類も多い。
- ・社会主義国のベトナムは、1986年以降に経済が開放されて米の生産量が増え、元々は米の輸入国だったのが輸出国となった。
【マングローブ林が減少した背景】
- ・水田やエビ養殖池への転換(エビは日本へ輸出)
- ・ベトナム戦争の際の枯葉剤(全体の38%を破壊)
- ・製炭材のための伐採 等
【マングローブ林の機能と用途】
- ・生態系の利用(カニ釣り・蜂蜜・養蜂等) → 「海の森」と言われている。
- ・防災効果(高潮・津波) → 天然の防波堤である。
- ・直接利用(燃料・建築・炭・薪・食用)等
【マングローブの植林の現状】
- ・1940年からの70年間で、マングローブの75%が破壊され、原生林は残っていない。植林をする一方で破壊も進行しているので、減少率を食い止めるのがやっとの状態である。
- ・海洋で生息する生物によって吸収・固定される二酸化炭素をブルーカーボンという。海の生態系でもあるマングローブは、ブルーカーボンの柱のひとつであり、環境林としての役割が世界的にも期待されている。
- ・日本の大手保険会社が、顧客にペーパーレスの選択をしてもらうことで浮いた経費を資金として、植林活動を行っている。
【生徒からの質問】
- ・ベトナム戦争の枯葉剤でどれくらいのマングローブが枯れてしまったのか。
- ・マングローブの森はどれくらい戻ったか。
- ・NGO以外に日本の政府や外国の政府は支援をしているのか。 等
一本のマングローブの苗木を植えることの意義を胸にきざみ、ベトナムへと出発したいと思います。